- ユニットケア
Unit Care
当苑ではユニットケアに対して色々な取り組みを実施しています。
すべてにおいて、職員目線でなく利用者様・入居者様目線で。「ユニットケア」とは?
「ユニットケア」とは、自宅に近い環境の介護施設において、他の利用者様・入居者様や介護スタッフと共同生活をしながら、利用者様・入居者様一人ひとりの個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようにサポートすることです。利用者様・入居者様の尊厳ある生活を保障していくためには、一人ひとりの個性と生活リズムを尊重した「個別ケア」が求められています。「個別ケア」を実現する一つの手法が「ユニットケア」なのです。
「ユニットケア」の特徴
利用者様・入居者様個人のプライバシーが守られる「個室」と、他の利用者様・入居者様や介護スタッフとの交流ができる「居間」があることが特徴です。利用者様・入居者様10人前後をひとつの「ユニット」として位置付け、各ユニットに固定配置された顔なじみの介護スタッフが利用者様・入居者様の個性や生活リズムを尊重した暮らしをサポートします。入居前の居宅における生活と、入居後の生活が連続したものとなるように「暮らしの継続」をサポートしていきます。そのためにはその「1日」にケアの視点を置き、まずはその人が1日をどう過ごしたいのか、24時間の流れに沿った詳細な情報を知ることが大切です。その上で自立支援の視点から自分でできること、サポートが必要なことを見極め、ケアを提供していくことが重要となってきます。
「ユニットケア」に対する取り組み
1. 職員の固定配置
職員を固定配置することにより、利用者様・入居者様との関わりを深くします。そして、一人ひとりの利用者様・入居者様の生活リズムの把握に努め、臨機応変なサポートが出来るように取り組んでいます。
2. 24Hシートの作成
利用者様・入居者様の情報を24時間枠に埋め込み、介助内容等入力しながら24Hシートを作成します。それにより、スタッフ間の統一したケアの実践に結び付けています。統一したケアを行うことで、より安心・安全に利用者様・入居者様に暮らしていただけるよう取り組んでいます。
3. 個別外出
今までは、利用者様・入居者様に与えるだけのレクリエーションに取り組んできました。しかし、実際に利用者様・入居者様が求めているのはなんなのだろうと職員全体で考え直すことにより、与えるだけでなく求めている事へのサポートではないかと気付きました。このことに気付き、個別外出と題しまして、映画への外出や服の買い物等、望まれている事へのサポート体制に取り組んでいます。
4. 椅子、机、リビングの設え
ほうらい苑では、入居者様のQOL、ADLの維持、向上の為に椅子の座り直しや高さ、机の高さの調整、各ユニットごとにリビングの設えを変え、入居者様が少しでも快適に生活して頂けるような空間づくりに力を入れています。
机について
食事には3つの楽しみがあります。食べ物を見る楽しみ、食べ物の匂いを嗅ぐ楽しみ、食事を準備する家庭的な音を聞く楽しみです。一般的な机は高さが約70cmあり、小柄な方だと身体の半分以上の高さになることもあります。机が高いと食事の際に食器の中身をみることが難しくなり、食べ物を見る楽しみが減ってしまいます。また、腕を自由に動かせる範囲が狭くなり食事の動作を取りにくくなります。ほうらい苑では、入居者様に適した机の高さで食事を食べて頂くことで自立支援へと繋げ、食事を見る楽しみと自分で食事を食べるという喜びを味わって頂ける様に工夫しています。
椅子について
歩行が困難となった入居者様に対して車椅子を使用することがありますが、車椅子は本来移動を目的に作られており、長時間の座位や安静な姿勢を保つのに適していません。車椅子は長時間座る事で座面のたわみが生じ、身体の歪みの原因となります。また、座面が後方に下がっており食事の際に身体を起こすことが難しくなります。適した椅子に座り直すことで、身体の歪みの改善や予防、また座り直す動作の中で立ち上がり、立位保持の訓練ができ、ADLの維持、向上を図れます。
リビングについて
ユニットとは、「一軒の家」という認識です。ユニットごとにはそれぞれリビングがあり、リビングの設えを変えることによって、より入居者様が自分の家のように感じ、くつろいでいただけるよう工夫しています。
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